長年履きっぱなしでメンテナンスは気が向いたときにほこりを払ってオイルを入れるだけだったMOTOのレザーシューズがあります。流石と言うのか、かなりタフに作られているので全く問題なく履くことはできるのですが、ボディはよれて、色落ちもあり、ビンテージ風というよりはコキタナイ感が強くなってきたのでここらでいっちょ本腰を入れてメンテナンスをしてやろうと企みました。
今回挑戦するのはレザーシューズの丸洗い。革は水に弱いと言う話はよく聞きますし、下手打って縮んだり、よれがひどくなったり、革が割れたりなどヤラカシテしまうこともありえる。そして革靴を丸洗う経験など皆無。はたしてだいじょうぶなのか!?
やること
- 用意する物
- レザーシューズ丸洗い
- 馬毛ブラシでほこりを払う
- 靴をぬるま湯に漬ける
- 洗剤で洗う
- 整形と乾燥と保湿
- 靴の形を整えて乾燥させる
- 乾燥させつつ保湿を行う
- 失敗したんだぜ
- 洗浄について
- カビについて
- 染色 ※やりたくない
- 反省と成果
3段構えです。まずは水(お湯)と洗剤を使って汚れを落とし、乾燥させつつ形を整え、加えてクリームやオイルで保湿していきます。やりたくないけど、もしも色落ちが激しくてどうにもならなさそうなら色を塗りこんでいきます。
1.用意する物
・ブラシ:馬毛ブラシでほこりを払い、豚毛ブラシは磨くときに使います。
・バケツ:靴を浸すことができるサイズであればOK
・タライ:靴が浮かないように重しに使うだけ。タライじゃなくても問題ありません。
・洗うスポンジ:台所用スポンジを使用しました。
・洗剤:革専用のクリーナーが良いのは言うまでもないですが、今回はボディソープで代用。
・シューキーパー:形を整えるために必須。
・保湿クリーム:洗った後に塗布要!絶対にいる。
2.レザーシューズ丸洗い
①馬毛ブラシでほこりを払う
まずは靴に付いたダストを払っていきます。このとき、馬毛ブラシがあると便利。乾いた布でも代用はできるけれど靴の縫い合わせのところなんかの凹凸部分に溜まったホコリを払うのは難しい。ステッチ部分にも積もってたりするからやはりブラシがあった方がいいです。使い古した歯ブラシで掻き出すことも可能。ただし、歯ブラシは化繊でカタイやつだと革を傷つけてしまう恐れもあるので注意しましょう。
②靴をぬるま湯に漬ける
靴ひもを外してしまいましょう。
バケツにお湯を張って靴を放り込み、20分程度漬けて汚れを浮かします。お湯の温度はあまり熱いと革が硬化するとか聞いたので30~35度くらいにしました。前回オイルを塗ったのがかなり前だったのでいきなりドボンと漬けましたが、靴に脂分が結構残っているならいったんザっと濡らして、ザっと洗剤で脱脂してから漬けてもいいと思います。
靴は浮きます。なので鎮めるためにタライに少々水を張って重しにしましょう。そのまま20分ほど放置します。まだ埃を払ってお湯につけただけですが、あーつかれたとか言って一服すると良いでしょう。
③洗剤で洗う
お湯がすでに変な色になっています。汚れと油が浮いているのでこれだけでも少しは洗浄できていることが分かります。さてこっからは泡で洗っていきます。
洗剤は革専用のクリーナーなどがありますが、今回は実験的なノリなのでボディソープを使いました。台所用のスポンジにボディソープとって充分に泡立たせてバケツから取り出した靴を洗っていきます。
このとき、ガシガシ力を込めてこすったらあきません。あくまで泡で汚れを取ります。ソフトにやさしく洗いましょう。くれぐれもガシガシやってはいけません。
まんべんなく泡立てて洗ったら水で流して洗剤を落とします。革が濡れると黒っぽくなって汚れや色落ちが分かりにくいです。いかんともしがたい。
3.整形と乾燥と保湿
④靴の形を整えて乾燥させる
洗浄が終わったら次は乾燥ですが、このときに崩れた形を直すようにします。
まずはタオルやいらない布切れで大まかに水分をふきとったら、新聞紙などで何となく足の形にしたものを靴につっこみ、陰干しします。とっとと乾いてほしいので日向に出したいところですが、急激に乾燥させると革がひび割れたり、縮んだりするらしいので厳禁。
数時間後、まだまだ乾いていないうちに新聞紙を取り出して代わりにシューキーパーを入れて形を整えます。カカトなど硬い部分も水を吸ってある程度柔らかくなっているので、押したりつまんだりひっぱったりして元の形にしてみましょう。ある程度戻ったらシューキーパーを入れてその形をキープするようにします。
⑤乾燥させつつ保湿を行う
さらに、乾燥によるひび割れを防ぐためにクリームを塗布。まんべんなく塗ったらまた乾燥に戻します。
完全に乾くには3~4日はかかります。表面が乾いていても内部は湿っています。この間、適宜クリーム塗布を数回繰り返しました。
完全に乾いたらワックスとかオイルと入れて磨けば完成!!!オメデトウ!
と、なるはずっだったのですが・・・
4.失敗したんだぜ
失敗でした。まず第一にヨゴレが取れていない。第二にカビ生えたがな。
というわけでやり直し。メンドクサイ。むかっ腹がたって雑になる。そして悲惨な目に。。。皆さん、短気は損気なんやで。
というわけなので、ここからは失敗の話です。屍を乗り越えてゆけ。
洗浄について
正直ビビりながら洗ってました。漬けてた時間も短かったかも。泡で洗うにしてもソフトタッチが過ぎたか。が、しかし先にくどいくらいガシガシしたらアカンと書いたのには訳があって、1回目はビビりながらやったからそーっとやってたのですが、二回目は汚れ落ちとらへんやんけってガシガシやってしもうたんです。しかもシワの黒ずみを取るためにタワシで。そしたらまぁよごれはそれなりにおちたけど、色も一緒にだいぶ落ちてかつ革が劣化したよね。当たり前ですわな。ちゅーことで力加減は難しいところですが、タワシでガシガシはやったらアカン。
カビについて
今年は梅雨入りが異常に早いこともあってジメジメしとります。そんな中陰干ししてたらほらカビも生える可能性は高いですわな。しかし日向に出すわけにもいかんし、そもそも日が照ってないしどうしようと悩んだのですが、扇風機で風を送って乾かすことで回避しました。※それでも多少カビは発生しました。
しかし、乾燥が早くなるという点では日干しと同じように革割れとかのリスクがあるのでちょいと頻繁にチェックしてクリームで保湿しつつ乾燥に努めたのであります。
そしてある程度乾いて2度目の失敗に気づきます。そう、タワシガシガシやったから色落ちが激しく、これはもう色塗らなあきまへんがなってなって、色塗ったんやけど、クリームで保湿してたからその油分で染料ははじかれ、一部染まってムラ中のムラになってしまいました。
ので三度目の正直でスタートに戻る。
5.染色 ※やりたくなかった
3度目の正直と言うかやけくそと言うか、とにかく洗ってさて乾かすというこの時に、染色する必要がある。なぜならクリーム塗って霜うたら染料をはじきよるから。しかし、濡れてて色が分からへん。どうすんねん。図画工作は得意な方やったけど、色塗りだけはヘタクソやったぞ。大丈夫なんか。大丈夫じゃなくてもここでやめるわけにもゆくまいて。そんならしょうおまへんな。
今回使ったのはコチラ。水で薄めて使います。
半乾きの状態で染料を刷毛で塗っていきます。ムラになってもしょうがないと腹をくくってまんべんなく、何となく色落ちが激しかったと思しき所は重ね塗りなどしておきます。
いったん時間をおいて、染まり具合を確認しつつ、薄いところに重ね塗っていきます。もう間違ってる気しかしません。
にったん時間をおいて、染まり具合を確認しつつ、薄いところに重ねぬっていきます。もう間違っててもいいやってなってます。
気分の問題になっていますが、何となく整ったんとちゃうのってなったらクリーム塗って乾燥させてワックス、磨きで完成です。
6.反省と成果
作業中の写真撮ってなくて文章だけになってしまいました。やはりこういうのは動画の方がいいんだろなーと感じた次第です。今更ですけどね。
今回の実験は見事に失敗。特にムキになってやってしまった結果色が悲惨なことになってしまいました。一方で、整形は合格点だと思います。かなりかかとの方が斜めに崩れていたのですが、キレイな形に戻ったのは良かったところです。
そもそも日頃から手入れをしていればこんなことにはならないわけですから、めんどくさがらずに定期的に靴掃除はやりましょう。教訓です。新しいのを探すのも手。