イギリスはロンドンでライダースの老舗と問えば言わずと知れたルイスレザーとどなた様の口からも当たり前だと言わんばかりに漏れ聞こえてまいりますが、ルイスばかりじゃござんせん。JAMES GROSE(ジェームスグロース)の存在を忘れてはいけませんし、知っておかなければなりません。
JAMES GROSE概要
JAMES GROSE(ジェームスグロース)の歴史は古い。1867年に創立したというからザっと150年ほど前の話になる。日本の歴史で言うと大政奉還の年である。ルイスレザーが1892年創立なのでそれよりも25年も前から存在したブランドということになる。ただ1867年から現在まで連綿と続いたわけではなく、1971年に一度看板を下ろしています。
およそ40年の時を経て2013年にめでたく再興され、アバハウスやジャーナルスタンダード、チャンピョンリベッツなどとコラボレーションしながら着実に第二の歴史を築いています。質の高いライダースブランドの歴史を終わらせたままにはできないと職人の血が騒いだのか、現在は小さな工房で職人が一着一着端正込めて制作しているそうです。
JAMES GROSEの特徴
以前、ルイスレザーの製品について「しなやかで革は堅いモノという認識を覆した」というようなことを書きました。そしてその着用のしやすさ、ストレスのなさは服としてド正解な方向を向いていると今も思っています。そして、JAMES GROSEです。今回ここに紹介するシープスキン仕様のManila Jacket(マニラジャケット)は私が過去に驚くほどいしなやかと評したルイスレザーやアディクトクローズの上を行くソフトさです。服としてド正解という先の基準に基づいて言うならばドドド正解。
バイカー向けの製品だけでなくさまざまなスポーツ用品全般を扱っていたことも影響しているのかもしれませんが、JAMES GORSEのシープスキンは「気軽に着ることができるぞ、もっと着ろ!そして動け!」と言ってくるようです。こんなにアクティブなライダースを私は知りません。
ルイスレザーやアディクトクローズについてはコチラ
→Lewis Leathers(ルイスレザー)のスーパーモンザをレビュー!!!
→ルイスレザーのビンテージ ファントムをレビュー!
→Addict Clothes(アディクトクローズ)のAD-08グラナダをレビュー!!!Part2
Manila Jacket(マニラジャケット)
JAMES GROSEといえばマニラジャケットです。マニラはダブルタイプのライダースでスタイル自体はシンプルですが、ポケットが多く供えられており、「A」の刻印が印象的なアルバート大型ダブルジップと革とのコンビネーションがハードなイメージの醸成に寄与しています。実際はそのイメージとは裏腹に驚愕するほどのしなやかさがあり、まっったく気負うことなく着用が可能!!!誤解を恐れずに言えばジャージ感覚ではおれます。もっともシープスキンならではと見ることもできますが。
誰にオススメか
JAMES GROSEのマニラジャケット。コイツのしなやかさ、やわらかさにはただただ感心するばかりです。革って重いんでしょう?硬いんでしょう?というような先入観がある方には特におすすめできます。また、革は堅くないとと思っているバイカーにも一度触ってみることを提言します。価値観変わるかもよ。
ただ、中にはこの柔らかさが嫌だと言う人もいるはずです。あまりに気軽すぎて革ジャンにある種の特別感を期待する人にはその”普通の服さ加減”を受け入れることができないかも。カウハイド仕様やホースハイド仕様もラインナップされているのである程度のハードさを求める人はそちらをチョイスするといいかもしれません。
新生JAMES GROSEの向いている方向はガチガチのライダーではなく、広く一般向けに舵を切っている印象です。これはルイスレザーにも言えることですが、アパレルメーカーとして正しい選択と言えるのではないでしょうか。昨今ではライダースも一般的にはなってきましたが、まだまだ「止まったらコケる危険なモノに好き好んで乗らはるちょっと変な人の服」と思われているきらいもないではなく、そんな妙な見方が着用しやすいJAMES GROSEの革ジャンによって少しでも打ち消されるようなことになればこんなに嬉しいことはないのですから。
価格:143,000円 |