芸術家ともいうべき職人たちの技

 例外はあるものの、革製品は総じて価格が高めです。単に企業のブランディングということももちろんあるでしょうが、そもそもの素材である革が動物由来であるため、その生産総数が限定されることから綿や化学繊維と比べて希少ということも理由の1つでしょう。そして決定的なのは製作が人の手によって行われているという点で、つまり職人の技術に価値が見出されているということです。

 例えば端的な例として、KADOYAのHEAD FACTORYのライダースは一着15万円程度です。上着に15万円と考えると明らかに高い。しかし、その製造方法を知れば印象は変わるはず。HEAD FACTORYはKADOYAのフラッグシップで、熟練の職人一人が一着を縫い上げるという方法で製造していると聞けば納得感が生まれるのではないでしょうか。当然、縫製などの技術の高さだけでなく、素材そのものの質が高いことが担保されていれば猶更です。
 それ自体がブランディングと見ることもできますが、本日はそんな頑固オヤジ(勝手な印象)達が繰り出す芸術的とも言えるハイクオリティな革製品を見ていきたいと思います。

KADOYA HEAD FACTORY

 KADOYAはバイカーのためのレザージャケット、いわゆるライダースジャケットを製造販売している有名な老舗メーカーですが、先にも書いたようにフラッグシップブランドHEAD FACTORYの製品は一人の職人が一着を縫い上げるというちょっと昨今では信じられないような製造方法をとっています。タグにはHEAD FACTORYのロゴが記されるとともに、シリアルも記され、さらにタグには担当者の印まで押されています。車で言うなら日産GT-Rのエンジンみたいなもので(GT-Rのエンジンは『匠』によって手組され、ネームプレートが取り付けられる)、製品の質を保障するとともに、一流であることのプライドが表されていると言えるでしょう。

  • KADOYA HEAD FACTORY
  • KADOYA HEAD FACTORY1
  • KADOYA HEAD FACTORY2
  • KADOYA HEAD FACTORYのロゴ
  • KADOYA HEAD FACTORYのロゴ

KADOYA HEAD FACTORYのMERIDENをレビュー

KADOYA カドヤ AS-2VS [HEAD FACTORY] シングルライダース

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MOTO

 職人としてのコダワリに着目するならMOTOは外すことができないメーカーです。世界でただ一人と言われる革人形師である本池秀夫氏が1971年にLEATHERARTS & CRAFTS MOTOを創業し、その子らとともに運営されているのがMOTOですが、特筆すべきは親子共に芸術家であるということ。芸術家としての独創性、表現力が職人としての技術力を裏打ちしています。革靴の塗装に刷毛を用い、濃淡による個性を付与するなどまさに作り手の感性を如実に表すようなことを製品(商品)に対してするあたりは芸術家の顔が出ていると言えるかもしれません。
 逆に言うと同じ種類の製品でも差が出るということでもあり、ある意味でそれをきらう人もいるかもしれませんが、革製品は使い方によって表情を変えていくものなのでMOTOのソレがマイナス要素になることはないでしょう。

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LEATHER ARTS & CRAFTS MOTOのレザーシューズ。シブイ。

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MOTO CORDOVAN PLAIN TOE OXFORD SHOES #2100 BURGUNDY leather arts & crafts MOTO_NEW VINTAGE
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土屋鞄製造所

 個人の感性、力量にその魅力の源があるメーカーもあれば、組織としての技術力を高め製品の質を確かなものにしているメーカーもあります。その一つに土屋鞄製造所が挙げられます。タフさが求められるランドセルを製造していたメーカーですが、今では色々なレザーバッグを製造販売しており、その質の高さから非常に人気があります。
 80代の熟練者から20代の若手までが一緒に仕事をするということで、技術の承継が組織内で自然と行われるであろうことが分かります。専門のサンプル制作職人が作ったモノを実際に商品として生産する職人にその工程や方法を伝えるためのこれまた専門のポジションがあるなど組織一体として職人を構築しているのが特徴と言えるでしょう。

土屋鞄ウルバーノアーバンブリーフ
土屋鞄ウルバーノアーバンブリーフ

土屋鞄のウルバーノ アーバンブリーフをレビュー

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ウルバーノアーバンブリーフ
土屋鞄製作所

HERZ

 HERZもまた革鞄の職人集団です。これでもかというくらい分厚い革にゴツめのステッチがワイルドさを醸しつつ、同時に落ち着いた上品さを感じさせる魅力的なメーカーですが、製造する工房と販売店舗が一体となっている(渋谷本店)ちょっと変わった会社です。革の裁断は専門にしている職人が行いますが、それ以外の縫い上げ等は一人が1つを縫い上げる方式で生産するKADOYAのHEAD FACTORY方式(勝手に命名)がとられています。革そのものの存在感が半端ないという点でもHERZとKADOYAのHEAD FACTORYは共通していると思います。写真ではなかなか伝わりにくい感覚なので是非実物を見に行っていただきたいメーカーです。

HERZのバッグの何が凄いのか!?渋谷の本店に行ってみた!

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COCOMEISTER

 高品質な財布やカバンを製造しているココマイスターもまた職人の集まりと言えますが、役割分担というかそれぞれの得意分野を活かして製造するという点がココマイスターの強みです。素材はイタリヤやイギリスから輸入し、日本の技術を駆使し精巧な製品を生み出しています。例えば財布のヘリ(角)の処理として『菊寄せ』と呼ばれる内側に細かく織り込んで整形する古くからのやり方は非常に高い技術力が要求されます。こうした非常に細かなパッと見には分からないような部分にも確かな技術力が投入されることによってエレガントで上質な製品が生み出されています。

  • COCOMEISER 
  • COCOMEISER マットーネ外装
  • COCOMEISER マットーネ内装

大人のためのブランドCOCOMEISTER(ココマイスター)の財布を選ぶ理由

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AYAME ANTICO

 こちらもハイクオリティな革小物を提供しているメーカーですが、特筆すべきは『職人による手縫い』です。職人が作るといっても普通はミシンが使われるのに『手縫い』です。今のところ手縫い仕様としてはベルトしかないようですが、そんなことは問題ではなく、繰り返しになりますが『職人が手縫い』で作っているということが重要なポイントです。イタリアはフィレンツェの外れに工房があるとのことで、そこで職人歴40年のステファノ・パッリーニ氏が裁断から縫製、仕上げまで一人で行っているとか。昔ながらのほんまもんの職人スタイルといったところでしょうか。今の時代にそれでやっていけるのか余計なお世話と知りつつ心配してしまいますが、機械の時代だからこそ伝統を伝える意味でも手縫いにこだわり、継承活動をしているというマエストロの心意気に感心せずにはいられません。

AYAME ANTICO手縫いベルト
AYAME ANTICO手縫いベルトを見に行く
AYAME ANTICO手縫いベルト AYAME ANTICO AYAME ANTICO

まとめ

 革製品も大きな意味では当然ファッションの中に入ります。綿やその他の生地での被服でも職人の存在は欠かせませんが、革製品に関しては職人の存在がより大きく製品に影響し、仕上がりの具合にも寄与していると思います。その意味で革はずっと特別なモノであり続けるのかもしれません。市民権を得たとは言え、普通とは違う、そんな特別な感覚が革製品にあるのは一重に職人たちのお陰と言えるのではないでしょうか。

 革製品は使えば使うほど味が出て、使用者だけの一品になり得ます。職人が丹精込めた製品を終生の一品として使い育てていくのはアナタです!


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